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業務内容

特許異議申立の手続の留意点

2015年10月30日に、特許異議申立ての手続について特許庁から注意喚起がありましたので転載し、概要を紹介します(特許庁のページは2000年2月に更新されています)。

・正本と同様に副本にも朱肉を用いた押印が必要であるが、押印がない又は押印がコピーとなっている
 正本も副本も特許庁に提出する正式な書類なので、全て申立人か代理人の押印が必要でした。しかし、特許庁関係手続における押印の見直しによって、2020年12月28日以後、申立人、代理人の押印が不要になりました(Q1-6.)。よって、以下の2パターンのいずれかで書類を作成します。
・正本、副本に申立人も代理人も押印しない。
・正本、副本ともに申立人か代理人が押印する。副本は正本のコピーではなく押印要です。なお、特許庁の受領印をもらうための写しはコピーで構いません。

・副本は特許権者の数+1通の提出が必要であるが、副本の数が足りない
 特許異議申立書は、特許権者に送付されるところ、特許権者の数の副本が必要です。「+1通」は、審理用副本です。提出書類の部数の考え方は無効審判などの当事者系審判と同じです。提出する異議申立書の右上に、「正」「副」を表示するとよいでしょう。
 証拠も副本分の部数を提出します。

・証拠として提出された図書、雑誌等の公知日が特定できない(表紙や奥付がない)
 証拠が書証である場合、表紙、奥付などで公知日を明らかにしましょう。公知日が不明確であり、特許権者からの反論が予想される証拠は、取消理由通知に採用されない可能性があります。

・国際出願を証拠とする場合は、国際公開公報を提出する
 公表特許公報や再公表では不適切です。

・証拠として提出されたパンフレット等の頒布時期、発行時期が確認できる資料がない
 これは少々厄介な問題です。一般的に、パンフレット、カタログには、作成日、作成部数を意味する記号が印刷されていますが、これは直接的に頒布日を証明していません。パンフレット、カタログの頒布日の証明には若干の工夫が必要です。

・証拠として提出された文献の翻訳文が添付されていない
 証拠が外国語で記載されている場合、翻訳文を提出しなければなりません。証拠の言語が平易に理解でき審理に支障がない場合でも、特許権者との公平性を担保する観点から、訳文の不提出は看過されません。この翻訳文は異議申立期間経過後でも提出可能ですが、望ましくは申立書と同時に提出します(審判便覧34-01.1)。

・添付された証拠と「証拠方法」欄の記載不一致
 異議申立書は、「特許異議申立書の「申立ての理由」の記載要領」に記載された例に従って記載します。

・証拠説明書を提出する
 証拠物件として文書を提出するときは、特許異議の申立てをする際に証拠説明書の添付が要請されています(特施規第50条第3項、審判便覧34-01)。

・代理人手続の場合、代理権を証明する書面の添付がない
 特許異議申立書に委任状の添付が必要なことは、特許法施行規則第4条の3第1号第9号に規定されています。特許願には委任状の添付が不要なので、不慣れな代理人は忘れがちになるポイントです。包括委任状の援用も可能です。

・手数料は特許印紙で納付すべきところ、収入印紙が貼付してある
 登録後の移転登録などの手続は収入印紙で手数料を納付しますが、特許異議申立ては審判系手続なので、特許印紙で手数料を納付します。

・特許法29条を理由とするが、引用発明の認定、一致点、相違点の記載がない
 引用発明の認定、一致点、相違点は、「特許異議申立書の「申立ての理由」の記載要領」に記載された例に従って記載します。
 異議申立期限までの期間は、証拠の調査に十分な時間をとりたいものです。しかし、異議申立期間の終了後に理由補充期間は設けられておらず、異議申立書は実質的な補正ができないので、異議申立書の作成は経験豊富な専門家に任せる方がよいでしょう。形式的なミスで特許異議申立てが受け付けられないと、無効審判をせざるを得なくなり、費用と時間のロスになります。

特許異議申立制度の概要

特許異議申立制度の詳細

旧特許異議申立制度との違い

無効審判や情報提供制度との違い

特許異議申立ての手続の留意点

特許異議申立てをするときに役立つ情報

特許異議申立てを受けたときに役立つ情報


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